バスの最後部座席より
2003年12月11日母が
「あのデパートでセールをしているから見てみたい」
と言ったので、待ち合わせをして買い物をした。
その帰りのバスの中で思ったこと。
バス停に行くと、もうかなりの人数が並んで待っており
私と母は結構後ろの方に並んだ。
「こりゃあ座れないかも。荷物もあるから座りたいなぁ」
なんて心の中で考えていた。
幸い、一番後ろの席が空いていて、二人とも座ることができた。
座ってしばらくはバスは発車しなかった。
まだまだ乗ってくる人たちがたくさんいたからだ。
バスの中は人でいっぱいになって発車した。
母が
「会社帰りの人たちと時間がぶつかっちゃったね」
と言った。
丁度5時過ぎ。まさに帰宅ラッシュの時間。
「そうだね」
と私は答えて、少し母と世間話をしたあと、黙って
もの思いにふけっていた。
一番後ろの席からはバスの中全体が見渡せる。
バスの一番後ろの席ってあまり好きではなかった。
席を立つときに、他の座っている人に迷惑をかけるからだ。
でもこうして落ち着いて座っていると段々冷静になってきた。
バスの中をまじまじと見ていると、ある一人のサラリーマンと目が合った。
眼鏡をかけて、スーツを着てコートを着て、友人らしき人と居た。
たぶん帰宅の途中。
目が合うと、お互いに目を逸らした。
あっちが何故目を逸らしたかは知らないが、
私はそのサラリーマンを気持ちが悪いと思ったから。
その人には悪いけど、目がギラギラして妙に真面目そうに見えて
とっても嫌だった。
その後、またバスの中を見ていた。
その時、私は色んなことを考えていた。
みんなこれから家に帰るんだろうな。
仕事帰りなんだろうな。
学校帰りなんだろうな。
今日一日働いて疲れてこのバスに乗ってるんだろうな。
あのお婆ちゃんは買い物の帰りかな。
なんてことを考えていた。
ふと思った。
この人たちにもそれぞれ帰るところがあって、毎日通うところがあって
それぞれの日常を送っているんだな。
みんなそれぞれの人生があるんだな。
もしかして今日嫌なことがあって、今バスの座席で
それを考え込んでいるかもしれないし
楽しいことがあって、もしかして思い出し笑いしているかもしれない。
今このバスに乗っている人数分、人生があるんだな。
と、バスに乗っている人数分だけの人生を感じた。
今、世界では戦争やらテロやら毎日起こっていて
それで亡くなる人、怪我をする人、今にも飢えてしまいそうな人
たくさんいるはず。でも私にはそれが実感できない。
私がまだ幼い考え方しか出来ないせいもあるし、
きっと目の当たりにするまで本当の実感なんて出来ない。
でも今はこのバスの中の人数なら多少の擬似実感は出来る。
これを参考にして世界のことを考えてもいい。
日々、自分のことで精一杯だった私が、今こうして
いつもより広い視野で
人生の数を数えて、それを自分の肥やしにしようとしている。
おどろき。
バスの最後部座席に感謝である。
「あのデパートでセールをしているから見てみたい」
と言ったので、待ち合わせをして買い物をした。
その帰りのバスの中で思ったこと。
バス停に行くと、もうかなりの人数が並んで待っており
私と母は結構後ろの方に並んだ。
「こりゃあ座れないかも。荷物もあるから座りたいなぁ」
なんて心の中で考えていた。
幸い、一番後ろの席が空いていて、二人とも座ることができた。
座ってしばらくはバスは発車しなかった。
まだまだ乗ってくる人たちがたくさんいたからだ。
バスの中は人でいっぱいになって発車した。
母が
「会社帰りの人たちと時間がぶつかっちゃったね」
と言った。
丁度5時過ぎ。まさに帰宅ラッシュの時間。
「そうだね」
と私は答えて、少し母と世間話をしたあと、黙って
もの思いにふけっていた。
一番後ろの席からはバスの中全体が見渡せる。
バスの一番後ろの席ってあまり好きではなかった。
席を立つときに、他の座っている人に迷惑をかけるからだ。
でもこうして落ち着いて座っていると段々冷静になってきた。
バスの中をまじまじと見ていると、ある一人のサラリーマンと目が合った。
眼鏡をかけて、スーツを着てコートを着て、友人らしき人と居た。
たぶん帰宅の途中。
目が合うと、お互いに目を逸らした。
あっちが何故目を逸らしたかは知らないが、
私はそのサラリーマンを気持ちが悪いと思ったから。
その人には悪いけど、目がギラギラして妙に真面目そうに見えて
とっても嫌だった。
その後、またバスの中を見ていた。
その時、私は色んなことを考えていた。
みんなこれから家に帰るんだろうな。
仕事帰りなんだろうな。
学校帰りなんだろうな。
今日一日働いて疲れてこのバスに乗ってるんだろうな。
あのお婆ちゃんは買い物の帰りかな。
なんてことを考えていた。
ふと思った。
この人たちにもそれぞれ帰るところがあって、毎日通うところがあって
それぞれの日常を送っているんだな。
みんなそれぞれの人生があるんだな。
もしかして今日嫌なことがあって、今バスの座席で
それを考え込んでいるかもしれないし
楽しいことがあって、もしかして思い出し笑いしているかもしれない。
今このバスに乗っている人数分、人生があるんだな。
と、バスに乗っている人数分だけの人生を感じた。
今、世界では戦争やらテロやら毎日起こっていて
それで亡くなる人、怪我をする人、今にも飢えてしまいそうな人
たくさんいるはず。でも私にはそれが実感できない。
私がまだ幼い考え方しか出来ないせいもあるし、
きっと目の当たりにするまで本当の実感なんて出来ない。
でも今はこのバスの中の人数なら多少の擬似実感は出来る。
これを参考にして世界のことを考えてもいい。
日々、自分のことで精一杯だった私が、今こうして
いつもより広い視野で
人生の数を数えて、それを自分の肥やしにしようとしている。
おどろき。
バスの最後部座席に感謝である。
コメント